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■ 多読は力

洋書の多読は音読と合わせて英語学習には非常に効果的です。ですが、つまらなければ途中で放り出してしまいがちです。このページでは私が読んだ洋書の中で特にお薦めのものだけを紹介していきます。どうぞ洋書を選ぶ際の参考にしてください。
初級レベル
Persepolis I and II (Vintage)  Marjane Satrapi
これはイラン人女性である作者の自叙伝マンガです。邦題は「ペルセポリス」で映画になっています。少女時代を描いた第一部と、ウィーンでの留学生活〜イランに帰国してからのことを描いた第二部とで構成されています。文字通りヴェールで隠されたイラン女性の生活、イランの政治のことなど、全く知る由もなかった自分にとって、この本は非常に興味深いものでした。また、特に少女時代の第一部はとてもユーモラスで、何度も声を出して笑ってしまいました。絵もシンプルで楽しいです。第二部のほうは政治やイデオロジーのことを説明している部分が多いので、ちょっと疲れるかもしれませんが、英語自体は簡単です。★★★
『Frozon Pizza and Other Slices of Life』
(Cambridge English Readers Level 6)
  Antoinette Moses
3000語レベルの単語を使った、イギリス人やイギリスの生活に関する短編集。非常にシニカルで面白かった。作者はイギリス人なのかなぁ。それにしては、外国人から見て、イギリス人独特と思えることが、客観的に観察されている。タイトルにもなっている『Frozen Pizza』が特に面白かった。イギリスに住んでいる人、イギリスにこれから行くかもしれない人に是非お勧めします。★★★
『Matilda』  Roald Dahl
Roald Dahlの童話には大人を批判的に風刺しているものが多いのですが、『Matilda』はその代表格といえます。神童であるMatildaが、正しいものの見方が出来ない大人たちをギャフンと言わす様子は痛快です。また、後半はちょっとミステリーじみてくるし、最初から最後まで飽きることなく楽しめます。★★★
『Charlie and the Chocolate Factory』  Roald Dahl
Roald Dahlの童話は、洋書初級者にはピッタリの読み物です。英語のレベルでいうと、CambridgeやPenguin Readersのレベル6と同じくらいだと思いますが、文章も単語もこちらの方がレベルが上だと思います。レベル6だとほとんど辞書を引くことはないのですが、Roald Dahlの本の場合は結構知らない単語が出てきます。子供向けの本だからもちろんbig wordsは使っていないのですが、英語圏なら子供でも知っているような簡単な単語を結構知らないことに気づかされます。で、悔しいから覚えたいとも思います。この本は最初から最後まで音読しました。Roald Dahlの本はまた音読にピッタリです。★★★
『Les Miserables』 (Penguin Readers Level 6)   Victor Hugo
ご存知、ヴィクトル・ユーゴの『ああ無常』の要約版。Penguin Readersのレベル6だから単語も3000語程度のレベルに抑えられていて、とても読みやすいです。オリジナルは長編だしストーリーがずっと悲惨なので最後まで読むのは大変疲れますが、この要約版なら短いし、展開が早いので途中で止められません。こんなに楽して有名な小説を読破できるなんて。必須の古典小説はこの手で押さえておきましょう。★★★
『Oliver Twist』 (Penguin Readers Level 6)   Charles Dickens
チャールズ・ディケンズの小説は19世紀のロンドンの人々や生活の状況が非常によく描かれています。このPenguin Readers Level 6の「オリバー・ツイスト」なら読みやすいし、ディケンズ入門には最適だと思います。★★
『The Five People You Meet in Heaven』  Mitch Albom
人間は死んでからすぐに、天国で5人の人に会う。その5人というのは、自分の人生の中で何らかの形でかかわったことのある人たちである。その5人の天国での先輩(?)に導かれながら、自分の人生のいろいろな過程での意義や人との関わりについて学んでいく....。というお話。人間は誰でも死ぬけど、死んだらいったいどうなるのか誰も知らないよね。ひょっとすると、自分も死んだらこんなふうに5人の人に会うのかな?★★★

中級レベル
『The Last Juror』by John Grisham
アメリカ南部の小さな町の新聞社の編集長となった主人公が、その町で起こった凶悪事件とその裁判の行方を追う。犯人が刑期を終えて釈放されたあと、裁判の陪審員だった人たちが次々と殺されていき、最後まで気が抜けない。★★★
『Lucky Man: A Memoir』  Michael J. Fox
私は何を隠そうマイケルJフォックスの大ファンなのです。この自伝は、パーキンソン病にかかってからのことを、過去の回想を交えながら記録しています。マイケルが1人の人間として成長していく様子がよくわかります。★★★★
オーディオCD
この本のオーディオCDは、なんと、マイケル自身のナレーションです。マイケルは非常に早口で、最初はなかなか聞き取りにくかったんだけど、あまりにもしょっちゅう聞いていたので、彼の英語にはすっかり慣れました(笑)。聞き取りは決して簡単ではないけれど、マイケル好きの英語好きには最適の教材です!★★★★
『The Curious Incident of The Dog in The Night Time』  Mark Haddon
この本の面白いところは、主人公が自閉症の15才の男の子で、自閉症の子から見た世界が描かれているところです。一般のものの見方とはすごーく違うので、新しい世界を開けてもらったような気がします。本当に目からウロコ状態です。ストーリーのほうも、実はシリアスな事柄を扱っている(といってもイギリスでは日常的なことなんだけど)のだけど、15才の少年の目で淡々と描かれていくので本当に新鮮。★★★★
オーディオCD
この本のオーディオCDがまたすごーくいいのです。ベン・チバーっていう子供が朗読しています。普通のオーディオCDは大人のナレーターが読んでいるので、すごくうますぎるんですね。でも、ベンの朗読はもちろん上手なんだけど、めちゃめちゃ自然。完璧なイギリス英語が耳に非常に心地いいのです。音読のお伴に合わせて購入することをお薦めします。★★★★
『Memories of a Geisha』  John Grisham
2003年に読んだ本の中で一番面白かった本です。分厚い本なんだけど、次がどうなるのかが楽しみでやめられなくて(I could not put it down)、相当速く読み終えることができました。作者は、Mineko Iwasakiという元芸者にインタビューしたのを元にこの小説を書いたのそうですが、そのMinekoさんは、この本が出版されてから、書かれていることが事実と違うと訴えました。そうはいっても、この本はフィクションだから仕方ないんだけどね。ちなみに、Minekoさんが、Arthur Goldenに対抗して書いた『Geisha, a Life』という本も出版されているので、興味のある人はそちらも読んでみては。★★★★
『A Time To Kill』  John Grisham
John Grishamの処女作。弁護士をやりながら毎朝コツコツ書いて、4年かかったそうです。その後の成功はご存知のとおり。この本は『評決の時』という映画にもなっている(どういうネーミングよ!これっ)。私はこの映画を見て感動し、本を読みたくなったのでした。よくあるように、映画と本ではストーリー展開がちょっと違います。映画では、最後に主人公の弁護士がとても印象的なスピーチをするんだけど、小説ではその部分が映画と違ってました。★★★
『Flowers for Algernon』  Daniel Keyes
昔日本でもベストセラーになったので(邦題は『あるジャーノンに花束を』)、もうすでに読まれた方も多いと思いますが、とても面白かったです。主人公の日記形式なので、主人公の知能が低い最初のほうは、スペルミスだらけの、コンマなしの英語で書かれています。ただし、簡単な文章で、簡単なことしか書いていないから、ミススペルだからと言ってわかりにくいことは全くありません。ただ、主人公の知能が上がっていくに従って、英語もだんだん難しくなってきます。見たこともない単語もたくさん出てきます。でも、わからなくてもストーリー展開に影響がないので、気にすることはありません。それに、辞書を引いて調べてもおそらく一生使うことのない単語ですから無視したほうがいいです(笑)。ストーリーの面白いのもさることながら、英語のこの変化も英語学習者としては多いに楽しめるので、日本語で読んだことのある人でも、英語でもまた読んでみるといいと思います。★★★★
『The firm』  John Grisham
トムクルースの映画でお馴染みですね。この映画を見たのはアメリカにいるときで、英語がほとんど理解できなくてずいぶん落ち込んだ覚えがあります。本は、映画とはちょっとストーリー展開が違いますが、本は本で面白いです。映画になった本っていうのは、ストーリーがわかっているから、英語学習者にはとっつきやすいですよね。ただ、読んでるときは、たいてい映画に出ていた役者を想像しながら読んでしまうのよね。★★★
『The Africa House』  Christina Lamb
本屋で見てなんとなく買った本でしたが、とても面白かったです。ザンビアがまだ北ローデシアだった頃、そのアフリカの大地にイギリス式の豪華なお屋敷を建築してイギリス式に暮らしていこうとしたイギリスの貴族がいました。その実在の人物の、北ローデシアに対する愛着、お屋敷建築にかける情熱、さらに、好きだった人とは結婚できなかったけれど、なんとその娘と結婚してしまうというひつこさに、半分あきれ、半分感心しながら読みました。最後は何とも、もの悲しいけど、それだけにこの伝記はすばらしい小説に仕上がっています。★★★
『Disgrace』  J. M. Coetzee
この本は、大学教授という職をセクハラで追われた中年の白人男性と、黒人との間に溝を抱えながらも南アフリカに自分の居場所を持ち続けようとするその娘の織り成す物語です。物語は決して心地よいものではないのに、Coetzeeの文章は非常に心地よく流れます。音読すると、それがよくわかります。詩のようにさえ感じられます。さすがに、2003年にこの作品でノーベル文学賞を受賞しているだけあります。私はこの本を読むまでCoetzeeのことはまったく知らなかったのですが、すっかりファンになり、さっそく次の本も購入しました。★★★
『Animal Farm』  George Orwell
前に『Nineteen Eighty-four』を読んでGeorge Orwellのファンになった私は、表紙のイラストがかわいいのと薄っぺらいところが気に入って、次にこれを読みました。ファームで飼われている家畜が反乱を起こして主人の人間を追い出し、豚を中心に動物が自分たちで統治するファームを作ってしまうという大人の童話。『Nineteen Eighty-four』はとても難しかったけど、『Animal Farm』はわりと読みやすかったです。ただ、動物の名前は、種類や年齢によっていろいろな呼び方があるので、いくつかの単語は辞書で確認する必要がありました。なにせ、登場人物、いや登場動物が何の動物かわかってなかったら頭の中で想像しながら読めませんから。★★★
『The Summons』  John Grisham
父親が亡くなる前に、その息子兄弟が呼び寄せられます。しかし、兄弟が父親の招集に応じて家に戻ったときには、父親はすでに帰らぬ人となっていました。父親はいったい最後に兄弟に何を伝えたかったのでしょう。しかも、家にはなぞの多額の現金が残されていました。この小説は、XXXXの『Simple Plan』に非常によく似ています。私個人はこのような、読みながら主人公のことをすごく心配しなくっちゃいけないような物語はあまり好きではありません。ミステリー好きにはいいのかも。★★
『The Partner』  John Grisham
一人の男が、美しい妻と生まれたばかりの小さい娘を残して自動車事故で亡くなりました。その6週間後、彼が生前勤めていた法律事務所の売り上げ金9千万ドルが忽然と消えました。法律事務所の同僚たちは、実は彼が生きていてお金の行方を知っているのではないかと疑い始めました。私はミステリーを解くのは苦手なのですが、そんな私でも最後のドンデン返しは想像がついてました。ですから、この本は残念ながらJohn Grishamにしては面白くないと言えます。★
『High Flying』  Debra Allcock
ビジネス書です。この本は、初めて部下を管理しなくてはならない立場になった人向けに、どのような態度で、どのように部下を統率していくかが結構具体的に書かれています。私はイギリスの会社のマネージメント教育で課題として読まされたわけですが、日本の会社では部下を持った経験もなかったので、ここに書かれていることが非常に役に立ちました。このような指導書を読まずに、よいマネージャーになるのは不可能だと思います。英語をブラッシュアップしたいビジネスマンは英語でビジネス書を読むと一石二鳥ですね。★★★

上級レベル
『Word Power Made Easy』
私が一番気に入っているボキャビル本です。ネイティブでも知らないかもしれない結構難しい単語が載っているので、上級者にお勧めします。私がこの本をなぜ気に入っているかというと、語源を中心にボキャブラリを増やして行くというアプローチだからです。1セッションずつ丁寧に読み進めるほうがいいです。忘れても気にしない、気にしない。語源の意味が頭の片隅に残っていればしめたものです。単語を知らなくても、語源からほぼ想像がつくようになります。このようなアプローチは英検1級試験対策になります。だって、たいてい知らない単語がいくつか出てくるでしょうから、単語のスペルでだいたいの意味を想像するしかないでしょ。★★★
『Nineteen Eighty-four』  George Orwell
このフィクションは、Orwellが1949年に、タイトルにある1984年を想定して書いたものです。この物語の中では、人々はBig Brotherという独裁者の支配化におかれ(TVのBig Brotherはこの本から名前をとった)、人々の行動は、家の中や町中のいたるところ置かれたtelescreenとよばれるデバイスを通じて、体制者側に24時間監視されています。ちょっと北朝鮮とかイラクとかを想像してしまいました。非常に恐ろしいけど、非常に興味深い物語です。thought crime(反体制的な思想を持っている)を犯したる主人公の将来がどうなっていくのか、どきどきはらはらします。★★★★
『Green Mile』  Stephen King
さっすがStephen King だ!こんなに面白い小説を連載で書き上げてしまうなんて。最初の方は結構辞書を読みながら読んでいたんだけど、そのうち辞書を引くのがもどかしくなって一気に読んでしまいました。是非是非お薦め!★★★★
『Eats, Shoots & Leaves』  Lynne Truss
この本はネイティブがよく間違えるpunctuation(句読法)について書かれています。タイトルのEats, Shoots & Leavesはイギリスの学生なら誰でも習ったことのある例です。パンダは”Eats Shoots & Leaves”(新芽と葉っぱを食べます)。しかし、これが”Eats, Shoots & Leaves”となると、パンダは「食べて、撃って、去ります」となります。殺人パンダです。こんな失敗を犯さないためにも、句読法は正しく見につけておきましょう。★★★